日本語文法上の問題 [科学技術論文の書き方]

科学技術論文の書き方
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日本語文法上の問題




適当に喋っていてもなんとなく理解できる音声による会話に比較して,自分の考えていることを文字で相手に伝える,ということは難しい. 会話は判らなかったことを聞き返すチャンスがあるのに対して文字情報,特に論文は聞き返すチャンスが無い. 双方向ではなく、一方通行の媒体なのである。 従って,論文ではそこに書かれている文字の羅列による情報が全てであり, 一文字単位でその「存在価値」「存在意義」を考えることが重要である.

言われ尽くされたことであるが,「女子高校生・コギャル」のみならず最近の日本語はかなり崩れている. 「てにをは」や助詞はその代表である. 「私はその論文を書いた」と「私がその論文を書いた」は同じ意味ではない. 英語でも「This is a pen.」と「This is the pen.」は意味が同じ、あるいは後者が間違っているのではなく,言い手の気持ちがきちんと込められている.

君たちが書こうとしているのは自然科学の学術論文である. 重要なのは,正確さと読みやすさであって,文芸的技巧・文学的格調性は全く不要である. ここでいう正確さとは,工学的内容の正確さはもちろんのこと, 日本語としての文法の正確さも重要である. 本章ではさまざまな切り口、特に日本語の文法的立場から科学技術論文を書く際の「日本語の問題」を取り上げる.