科学技術論文の書き方
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言葉の表現上の問題

漢字カタカナひらがな

漢字か平仮名か?

明確にその漢字の本来の意味として使用していない語句は,平仮名で書く. また,そこまでいかなくとも,平仮名で書くべきものもある.
  • × ・・・という事は,
      → ○ ・・・ということは,      (事 (fact) としての意味が希薄でありそれよりは that 節であろう)
  • × ・・・する時は,
      → ○ ・・・するときは,       (時間,時刻の概念が希薄である)
  • × ・・・して置く.
      → ○ ・・・しておく.        (置く (put, leave) という意味はもはや無い)
  • × ・・・して来る.
      → ○ ・・・してくる.        (来る (come, go) という意味はもはや無い)
  • × XXXと言う方法
      → ○ XXXという方法        (言うという,口で発声するという意義がない、本来は "云う" だろう)
  • × ・・・それは xxx では無い.
      → ○ ・・・それは xxx ではない.  (無い (nothing),のではなく否定 (not) である)
  • × ・・・ということは有りえ無い.
      → ○ ・・・ということはあり得ない.(無い (nothing),のではなく否定 (not) である)

カタカナ

日本語の学術論文ではその構成文字として,漢字,平仮名 (以下,ひらがな),片仮名 (以下,カタカナ) を主として用いる. 通常の論文でカタカナを使用する局面は,ほぼ次のものに限定されよう.
  • 固有名詞          e.g. シーメンス,ニューヨーク
  • 強調・区別化・差別化    e.g. カタカナ
  • 外来語           e.g. コンデンサ,バケツ
  • 当用漢字でないとき等の代用 e.g. ケイ素,ネジ

固有名詞は,文字セットの都合 (例えばアラビア語の固有名詞とか) がある場合を除き, 原語の使用もあり得るが,日本語で商標登録,意匠登録があるものなどはどちらでも問題はない. 言葉を強調したり,もとの漢字が当用漢字でないとき,漢字で書くのが通例でないときなどは,カタカナの使用もあり得るができるだけ避けた方が良い. 本文で「片仮名」を「カタカナ」と表記しているのはその一つの例である.

おそらくカタカナの使用の可否ということではなく,表記法という面で問題となるのは外来語である. 以下ではカタカナによる外来語表記の問題を探る.

外来語のカタカナ表記

外国語を原語表記 (文字セットの都合がある場合はローマンアルファベット) とすべきか, カタカナ表記とすべきかという問題はそれほどクリチカルではないが,原語表記を多用すると, 可読性に大きな影響を与えうる. 適切で読みやすい表記を心がけよう.
  • × United States of America の State of Michigan は Canada の Province of Ontario と Detroit River を挟んで接しており,両岸の都市である Detroit と Windsor の間にはトンネルと橋により行き来できる.
  • × America 合衆国 の Michigan 州は Canada の Ontario 州と Detroit 川を挟んで接しており,両岸の都市である Detroit と Windsor の間にはトンネルと橋により行き来できる.
  • → ◯ アメリカ合衆国のミシガン州はカナダのオンタリオ州とデトロイト川を挟んで接しており, 両岸の都市であるデトロイトとウィンザーはトンネルとアンバサダー橋により行き来できる.

外来語を漢字の当て字で表記することがよくあるが,原則として論文では避けるべきである.

  • 瓦斯 v.s. ガス
  • 煙草 v.s. タバコ
  • 米  v.s. メートル・アメリカ

人名の表記

先行研究の引用などでは,その著者名はローマンアルファベット表記とするべきである. これには参考文献のアクセスを容易にする,という目的がある. その目的からして著者の国籍や人種が問題なのではなく, 日本人著者であっても該当論文が英文論文であれば引用著者名はローマンアルファベット表記, 外国人著者であっても和文論文であれば引用著者名を和文表記とするべきである. また,掲載論文誌の国籍でもなく,日本の学会で刊行さている英文論文はローマンアルファベット表記とするべきである.
  • (×) ローゼンフェルドによってもたらされたディジタル幾何学[1]と,マーによって示された視覚理論[2]は,現在のメディア研究の根幹を形成している.
  • (◯) Rosenfeld によってもたらされたディジタル幾何学[1]と,Mar によって示された視覚理論[2]は,現在のメディア研究の根幹を形成している.

直接の先行研究の参照引用としてではない,広く認知された人名の表記はカタカナで表記することもできる.

  • (◯) Keplerと Galilei は Copernicus の地動説を支持した.
  • (◯) ケプラーとガリレイはコペルニクスの地動説を支持した.
  • (×) ケプラーとガリレオはコペルニクスの地動説を支持した.
3番目はありがちなミス.

カタカナによる記法各論

「ヴヰヱ」の使用

「ヴヰヱ」はできる限り使用しない. 発音的にどうしても気になる場合は,カナでなく,英文を並記すべきである. BとVを区別させたいのなら,LとRも区別させよ! →国語審議会. 元々,英語の発音をカナで正確に表記できる訳がないのである. また,社会的に認知されている和文がある場合に,あえてカタカナで表記する必要はない. とある学問分野を攻撃する気は毛頭ないが,頼むから止めてくれ...(;p)
  • × ヴァーチャルリアリティは,...
  • △ バーチャルリアリティは,...
  • ◯ 仮想現実は,...
  • ◎ 仮想現実 (VR: virtual reality) は,...
もちろん,登録商標、固有名詞などについては別問題である.
  • × パージンアトランティック航空
     → ◯ ヴァージンアトランティック航空
  • × ニッカウイスキー
     → ◯ ニッカウヰスキー
  • × エビスビール
     → ◯ ヱビスビール
(酒しか思い付かない...)

長音「ー」

外来語,特に英語で er, or, y で終わる単語は,カタカナでは伸ばさないのが最近の傾向である. JIS で定められているものもあるし,学会の方針もある.
  • ×コンピューター 
     → ◯ コンピュータ
  • ×リアクター 
     → ◯ リアクタ (リアクトル)
  • ×コンデンサー
     → ◯ コンデンサ
  • ×インターフェース, ×インターフェイス
     → ◯ インタフェース
  • ×リアリティー
     → ◯ リアリティ

アかヤか

(ここは独り言...)

気になる. a はア、ya はヤであろうに...でも仕方ないのか...

  • diamond: ダイヤモンド vs ダイアモンド
  • tire: タイヤ vs タイア,c.f. fire

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