科学技術論文の書き方
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日本語文法上の問題

文法的な問題各論

文法構造の不適

よく引き合いに出される典型例:
10年後には地球は宇宙人に破壊されてない。
もちろん,
  • 10年後には地球は宇宙人に破壊されてはいない。
  • 10年後には地球は宇宙人に破壊されて存在しない。
の二通りの解釈ができる. ここまで典型的なものは論文ではないだろう, とたかを括ってはいけない. 十分にありうるのである.

前置詞

日本人は英語の前置詞 (at, on, off, in, out, above, etc.) に弱い.まだ私も完全ではないが... 英語の,と書いたが,これは日本語にも通じるようである. もちろん日本語には「前置詞」という品詞はないが,それに相当するものとして助詞・副助詞等がある. この間違いは結構多いように思う.
  • × 4月から入学した.
      →◯ 4月に大学に入学した.(入学という動詞は継続性はないから「から」はおかしい)

二重の「する」

法律の条文にもあるので文法的間違い,というと司法試験を突破したエリート様が気を悪くするだろうから文法的間違いとは(ここでは)言わないが、かなり文法的問題のある表現として二重の「する」がある.
  • …して,…する.
  • …し,…する.
  • …して,…し,…….
といった構文である.実態としてはサ変動詞に限定しない.

例)

  • (1) フラスコに試液を 100cc 入れて,5秒間煮沸する.
  • (2) 試験紙を浸して,pH を測定する.
(1) と (2) は同じ文法構造を持つ文である. (1) のような記述が会った場合,「フラスコに試液を 100cc 入れる」という行為と、「5秒間煮沸する」という行為は別の行為であって,それらが順番に実行された,と理解することは合理的である.

では (2) はどうか. (2) のような記述があった場合,善意の解釈をすれば「試験紙を浸す」という行為と「pH を測定する」という行為は同じ行為であると理解できよう. しかし,本サイトの重要キーワードの一つである「行間」ということを意識し,先入観無しに読んだ場合はそれらが別の行為であって順番に実行された,という印象を持たないだろうか. すると,「試験紙を浸す」は理解できるが,pH はどうやって測定するの?という疑問が湧く. 行間を読ませない,という大原則に則ると「そんなこと当たり前だろ! 」は利かないのである.

そう,やはり(2) の場合は文法的な問題が見え隠れする. この場合は,

  • (2) 試験紙を浸すことによって,pH を測定する.
とすれば問題はない.

一見,ささいなことと感じるかも知れないが,このような問題が塵も積もって論文を読みにくくし,解りにくくし,そして査読にも通らない論文を作ってしまうのである.

二重の否定

論理的に矛盾がなくても,否定が二重に使われると読み手としては非常に難解となる.
さらに不用意に二重の否定を使うと多義性の根源となることがある.

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