科学技術論文の書き方
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学術論文とは

論文の種類

論文には,研究進行段階に対応して,いくつかのカテゴリがある. カテゴリによって想定している対象読者層は異なる. その対象読者がどのような知識を持っているのか,何を知りたがっているのか, を十分に念頭に置いて書かなくてはならない. 無駄な情報,冗長な情報は,読む側には苦痛である.
  • 学会地方大会講演論文
    • 電気関係学会◯◯支部連合大会 (略称: ◯◯連大)
    などのように,学会の支部が開催するローカルな会議の論文集. 論文というよりは単なる予稿集ともいえる. 1ページあるいは半ページで,言いたいことを書くのは大変であるが, そのような制限がなければだれでも書ける. 限られたスペースでそれができてこそ一人前である.
  • 学会全国大会論文
    • 情報処理学会全国大会 (略称: 情処全大)
    • 電子情報通信学会全国大会 (略称: 信学全大)
    • 情報科学技術フォーラム (略称: FIT)
    などのように学会が年,あるいは半年に一回,開催する全国的な会議の論文集. これも1〜2ページであり,予稿集としての性格が強い. (ただしFITの査読部門はレター論文扱い) なお,これくらいの分量において,最終ページに空白ができることなど, あってはならない.一行も残さず使い切れ.
  • 研究会論文
    • 情報処理学会研究報告 (略称: 情処研報)
    • 電子情報通信学会技術報告 (略称: 信学技報)
    通常6〜8ページである.言いたいことを書くには,ほぼ必要・十分な分量がある. ここでも最終ページに余白を残すな.
  • 国際会議論文
    • Proc. of ICPR
    • Proc. of ICDAR
    • Proc. of IEEE - SMC
    などのような国際会議の論文であり当然,英語で書かれる. 日本語に固有なこと以外は本文は国際会議論文にも有効である. 「査読」といわれるシステムが存在することを覚えておこう.
  • レター論文,ショートノート
    • PR Letters
    • IT Letters
    レター論文,ショートノート(以下,レターという)などと言われる論文がある. 下の原著論文に準じて扱われるが,速報性,資料性などが 重視される.レターにも査読がある. 通常2〜4ページと短く,かつ査読期間も短い. 上記のようにレター専門誌もあるが,下の原著論文と同じ雑誌内で 扱われることもある. 通常,レターとして掲載された論文は,拡張して原著論文(レターに対してフルペーバという)として 投稿することが許されている.
  • 原著論文
    • 情報処理学会論文誌 (略称: 情処論)
    • 電子情報通信学会論文誌 (略称: 信学論)
    • 画像電子学会誌 (略称: 画電学誌)
    • Computer Graphics Forum
    • IEEE Trans. on PAMI
    • IJPRAI (World Scientific Publ.)
    • Visual Computer (Springer)
    などのように,学会あるいは学術出版社が刊行する学術論文誌である. 原著論文には国際会議やレターよりも丁寧かつ厳重な査読システムがある. 研究のゴールであり,原著論文の出版をもってその研究は完結する. やりなおしは効かない.悔いの残らない様,全力を出し尽くして書け.
 筆者のところにも多くの査読論文の査読依頼が来るが, この本文に書かれていることを最低限守ってもらえればどれだけ読みやすい(査読しやすい)ことか... 本文を遵守して論文投稿すれば,査読者の頭痛も緩和し, 採択率が上がる(かも知れない).

 ここで示した三種以外,すなわち学会口頭発表等は狭義には論文に含めない. このように「論文」の言葉の定義は時と場合によって異なるが, これを悪用(??)して,論文リストにしょうもない口頭発表論文を 紛れ込ませることがある.一見,論文が多くて見栄えが良いように見えるが, 然るべき人が見れば明白であり,そのような時には(就職,学位 etc.) 心証を悪くし,審査評価が下がるかも知れない. 査読論文以外も併せて研究業績をリストしたい場合は このリストのようにカテゴライズして種類明記するのが誤解も無くて良いだろう.

 ただし,本文では書き方そのものを題材としているので, 査読論文以外の予稿集論文も含めて論文と表記することにする.必要な場合は 査読論文,原著論文などと可能な限り明記する.

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